マルテンサイトとマルテンス
ロートアイアンを焼入れすると硬くなる。
これは徐冷するときには現われない硬いマルテンサイトという組織が形成されるからです。
このマルテンサイトという言葉は金属学者にとって、政治学者にとっての「リベラル」という言葉と同じように定義のむずかしい言葉なのだそうであるが、この名は1895年、フランスで金属組織学を発展させたフロリス・オスモンが同じ時期にドイツでこの学問を推進しつつあったアドルフ・マルテンス(1850~1914)に名誉を与えるために命名したものです。
その後金属の研究者は、1日としてこのマルテンサイトを口にしないではすまないということになりました。
といって、マルテンスがこの焼入組織を発見したわけではない。
しかし金属の研究者でありながら、マルテンサイトは知っていても、マルテンスがどういう人であったかを知る人は少ない。
そんなことでよいものでしょうか。